愛媛県の公立高校入試で使われる内申点(調査書点)は、中学1年から中学3年までの3年分・9教科の評定を合計した135点満点です。つまり「内申点はいつから」という問いへの答えは「中1の成績から」になります。本記事では、内申点の対象学年・点数の決まり方・当日の学力検査との配分を、愛媛県教育委員会の実施要項をもとに整理し、松山市内の受験への活かし方まで解説します。
内申点(調査書点)とは何か
「内申点」とは、中学校が作成する調査書(しばしば内申書と呼ばれます)に記載された各教科の評定を、入試用に得点化したものです。愛媛県の公立高校入試では、これを正式には「調査書点(ちょうさしょてん)」と呼びます。愛媛県教育委員会の実施要項では、調査書点を「調査書の各教科の学習の記録の第1学年から第3学年までにおいて履修した必修教科の評定の合計」と定義し、その満点を135点としています(愛媛県教育委員会「令和8年度愛媛県県立高等学校入学者選抜実施要項」)。
当日の学力検査(テスト本番の得点)が「その日の力」を測るものだとすれば、調査書点は「中学3年間の積み重ね」を測るものだと考えると整理しやすいでしょう。合否はこの二つに、面接や実技などの結果を加えて総合的に判定されます。
核心:愛媛県の調査書点は135点満点。これは9教科の5段階評定を中1〜中3の3年分すべて合計した数字であり、当日の試験とは別枠で合否に効きます。
内申点はいつから——対象は中1〜中3の3年分
保護者の方からよく受ける質問が「内申点はいつから気をつければよいのか」です。愛媛県の場合、答えははっきりしています。対象は中学1年から中学3年までの3年分すべてです。実施要項が「第1学年から第3学年までにおいて履修した必修教科の評定の合計」と明記しているため、中3だけ、あるいは中2・中3だけが対象になるわけではありません。
調査書の様式を見ると、各教科の学習の記録欄には第1学年・第2学年・第3学年の3列の評定欄があり、9教科それぞれに評定が記入される作りになっています(愛媛県教育委員会「調査書(令和8年度入学者選抜様式)」)。「中3の成績がいちばん大事」というイメージが先行しがちですが、制度上は3学年分を合算するため、中1の段階から評定が積み上がっていきます。中1の取りこぼしは、後からまとめて取り返せる性質のものではない、という点は知っておいて損はありません。
なお、各学年で何点ずつという内訳について、実施要項は「評定の合計135点満点」と定めるにとどまり、各学年45点という区切りそのものを明示しているわけではありません。9教科×5段階×3学年で135という数字が成り立つ、という理解にとどめておくのが安全です。
評定はどう決まるのか——観点別評価と5段階
調査書点の中身である「評定」は、9教科(国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術家庭・外国語)それぞれに5段階(5・4・3・2・1)で付けられます。国の通知では、「十分満足できるもののうち、特に程度が高い」状況を5、「十分満足できる」を4、「おおむね満足できる」を3、「努力を要する」を2、「一層努力を要する」を1と区別して記入するとされています(文部科学省「児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」別紙2)。9教科×5段階×3学年で、最大135点という愛媛の満点と一致します。
通知表のABCと、入試で使う評定の関係
ここで保護者の方が混同しやすいのが、通知表に並ぶ「A・B・C」と、入試に使われる「5・4・3・2・1」の関係です。前者は観点別学習状況の評価で、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」といった観点ごとに、達成状況を分析的にA・B・Cで示すものです。後者の評定は、その観点別評価を基にして各教科の学習状況を総括的に5段階でまとめたものとされています(同・別紙2)。
つまり、入試の内申点に直接効くのは観点別のABCそのものではなく、それらを束ねた5段階の評定です。日々の観点別評価が良ければ評定も上がりやすい、という関係にはありますが、ABCの数を単純に足し算して評定が決まるわけではない点には注意が必要です。具体的な評定の付け方は各中学校・各教科の評価規準によるため、気になる場合は学校の説明会や担任への確認をおすすめします。
核心:通知表のABC(観点別評価)は分析的評価、入試に使う5段階の評定はそれを束ねた総括的評価。内申点に直接効くのは後者の5段階です。
当日点との配分——A・B・Cの比率は学校が決める
調査書点が135点満点だとして、では当日の学力検査とどう組み合わされるのでしょうか。一般入学者選抜の学力検査は、国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、各教科50点・合計250点満点です(全日制の場合。理数科・総合学科などでは傾斜配点で300点満点とすることもあります)。
合否は、学力検査の得点(A)、調査書点(B)、面接や実技などその他(C)の3要素を総合して判定されます。重要なのは、このA・B・Cの満点比率を各高校が学科ごとに定めて事前に公表する、という点です。実施要項では、A・B・Cの合計を500点満点とし、Aは3〜6、B・Cは2〜4の範囲の整数で、比率の合計が10になるよう各校が設定すると定められています。たとえば普通科で比率が6対2対2なら、当日点を相対的に重く見る配分になります。
さらに一般選抜は、第1選抜(募集人員の70パーセント程度)と第2選抜(30パーセント程度)の順で行われます。第1選抜では、まず調査書点が上位から募集人員の90パーセント程度以内にある者を対象とし、調査書の記録や面接・実技の結果が良好な者について、学力検査の成績上位順に選抜します。第2選抜は、残りをA・B・Cの総合点で選抜します。内申点が極端に低いと第1選抜の対象に入りにくくなる一方、第2選抜では当日点を含めた総合力で挽回できる余地が残されている、という二段構えになっています。
なお、どの高校がどの比率かは毎年各校が公表する資料で確認する必要があります。「あの進学校は当日点重視」といった断定は年度や学科によって変わり得るため、本記事では特定校の比率には踏み込みません。志望校が決まったら、その年度の公表値を必ず確認してください。
松山の受験・定期テストへの翻訳
ここまでの制度の話を、松山市内の中学生と保護者にとっての行動に翻訳してみます。第一に、内申点対策は中3で始めるものではなく、中1の最初の定期テストから始まっています。3年分が合算される以上、中1・中2で安定して評定を確保しておくことが、中3での選択肢の広さに直結します。第二に、評定は定期テストの点数だけでなく提出物や授業での取り組みも含む総括評価ですから、テスト直前だけの追い込みよりも、日々の提出物を確実に出し、授業内の小テストや課題を取りこぼさないことが効いてきます。
第三に、志望校選びの段階では「自分の得意が当日点型か、積み上げ型か」を意識すると戦略が立てやすくなります。当日点の比率が重い配分の学校を目指すなら本番での得点力を、内申点が相対的に効く配分なら3年間の評定の安定を、それぞれ早めに意識しておくとよいでしょう。いずれにせよ、配分は各校が事前公表しますので、松山市内の志望校についてはその年度の数値を確認したうえで計画を立てることをおすすめします。
ソートアップでの取り組み
学習塾ソートアップでは、内申点と当日点を切り分けて考える設計を、個別指導の中で取り入れています。たとえば中1・中2の生徒には、まず定期テストの安定と提出物の確実な提出を通じて評定の土台をつくることを優先し、中3では志望校が公表する配分を踏まえて、当日点対策へ比重を移していく、という進め方をしています。3年分が合算される愛媛の制度では、学年ごとに「いま何を優先するか」が変わるためです。
「内申点がいつから効くのか分からない」「うちの子の得意は当日点型か積み上げ型か」といった相談も含めて、学習塾コースでは生徒一人ひとりの状況に合わせて学習計画を設計しています。実際の進め方は無料体験授業でご確認いただけます。
よくある質問
内申点はいつの成績から対象になりますか?
愛媛県の公立高校入試では、中学1年から中学3年までの3年分の評定がすべて調査書点(内申点)の対象です。令和8年度の実施要項でも「第1学年から第3学年までにおいて履修した必修教科の評定の合計」と定められており、中3だけ、あるいは中2・中3だけが対象というわけではありません。中1の成績から積み上がっていくと理解しておくのが安全です。
内申点は何点満点で、どう計算されますか?
調査書点は135点満点です。中学校の評定は9教科それぞれ5段階(5・4・3・2・1)で付けられ、これを中1〜中3の3年分合計します。9教科×5×3学年で最大135点になる計算です。ただし実施要項は「評定の合計135点満点」と定めているだけで、各学年45点ずつといった区切りを明示しているわけではありません。
部活動や生徒会、英検などの資格は内申点(評定)に加算されますか?
評定(5段階)はあくまで各教科の学習状況に対する評価で、部活動・生徒会・資格そのものが評定の数値を直接押し上げるわけではありません。ただし、これらの活動や資格は調査書のほかの欄に記録され、面接や実技などとあわせて評価される要素(C)の対象になる場合があります。特色入学者選抜では、こうした記録がより重視される傾向があります。
内申点と当日の学力検査では、どちらが重視されますか?
学校・学科によって異なります。愛媛県では、学力検査(A)・調査書点(B)・面接や実技など(C)の満点の比率を、各高校が学科ごとに定めて事前に公表します。Aは3〜6、B・Cは2〜4の範囲で、合計が10になるよう配分されます。当日点を重く配分する学校もあれば、内申点を相対的に重く見る学校もあるため、志望校が公表する比率を毎年確認することをおすすめします。
内申点が足りないと、当日の点数が良くても不合格になりますか?
一般入学者選抜の第1選抜では、まず調査書点が上位から募集人員の90パーセント程度以内にあることが対象の条件になり、そのうえで学力検査の成績上位から選抜されます。つまり内申点が極端に低いと第1選抜の対象から外れる可能性があります。ただし残りは第2選抜でA・B・Cの総合点により選抜されるため、当日点で挽回できる余地も残されています。