愛媛県の公立高校入試は、「特色入学者選抜」と「一般入試(二段階選抜方式)」の二本立てで構成されています。制度の仕組みを正確に理解することが、戦略的な受験対策の出発点になります。本記事では、令和8年度(2026年度)入試の制度を愛媛県教育委員会の公式資料に基づいて解説します。

ご注意:本記事は令和8年度入学者選抜実施要項・募集要項(愛媛県教育委員会公式)を参照しています。各校の選抜比率・内容は毎年度更新されます。受験年度の正確な情報は必ず愛媛県教育委員会の公式サイト(https://ehime-kyoiku.esnet.ed.jp/koukou/nyuusi/r08nyuusi)でご確認ください。

入試制度の全体像

愛媛県の公立高校(県立)の入試は大きく2つに分かれます。

  1. 特色入学者選抜(旧称:推薦選抜)——各校が設定した出願資格を満たす生徒が対象。面接・実技・小論文などの検査を実施。
  2. 一般入試(二段階選抜方式)——全受験生が対象。学力検査(当日点)と内申点(調査書点)を組み合わせて選抜する。

多くの志望校では「特色入学者選抜」と「一般入試」の両方が実施されており、特色選抜で不合格になっても一般入試で再チャレンジできます。

特色入学者選抜とは

特色入学者選抜は、2025年度から本格運用された選抜方式です(旧称「推薦入学者選抜」から制度改正)。各校が独自に出願資格・検査内容・選抜方法を設定します。

出願できる生徒は、各校が定める「出願資格」を満たす者(内申点の基準・部活動・資格・校長推薦など)に限られます。倍率・選抜内容は学校によって大きく異なるため、志望校の「特色入学者選抜各校の概要」(愛媛県教育委員会公式PDF、65頁)を必ず確認してください。

一般入試の仕組み:二段階選抜方式

一般入試は「二段階選抜方式」で行われます。第1選抜と第2選抜の2段階で合否を判定します。

第1選抜

受験者全員を対象に、調査書点(内申点)の上位者から順に当日の学力検査点で評価し、募集定員の約70%の合格者を決定します。具体的には、内申点が高い上位90%程度の受験者の中から、当日点(学力検査)の上位順に定員の70%程度を合格とします。

第2選抜

第1選抜で合格に至らなかった残りの受験者を対象に、A(当日点)・B(内申点)・C(調査書記録外+面接・実技等)の3要素を合計した500点満点で再評価し、残り約30%の合格者を決定します。

二段階選抜のポイント:第1選抜で不合格だった場合でも、第2選抜で「逆転合格」が起きることがあります。第2選抜の評価基準(A:B:C比率)は学校・学科ごとに事前公表されており、これが対策の重要な指針になります。

配点の詳細:内申点と学力検査

学力検査(当日点)
250
点満点(5教科 × 50点)
内申点(調査書点)
135
点満点(5段階×9教科×3学年)
第2選抜合計
500
点満点(A+B+C)

学力検査(当日点)

国語・数学・英語・理科・社会の5教科、各50点、合計250点満点です。理数科・総合学科など一部の学科では傾斜配点が適用され、300点満点になる場合があります。試験時間は各教科45〜50分程度。

内申点(調査書点)

中学校1〜3年生の3年分の評定が対象です。評定は5段階(1〜5)で、9教科(国語・数学・英語・理科・社会・音楽・美術・保健体育・技術家庭)の合計です。計算式は「5段階×9教科×3学年=最大135点」となります。

出典:令和8年度 愛媛県立高等学校入学者選抜実施要項(愛媛県教育委員会)

A:B:C比率と主要校の数値

第2選抜の評価は「A(当日点):B(内申点):C(調査書記録外+面接等)」の3要素の比率で行われます。各要素は500点満点のうちの割合で定められており、合計が10になるように設定されています(A+B+C=10の整数配分)。

学校・学科 A:B:C 備考
松山東 普通 6:2:2 当日点重視型
松山南本校 普通・理数 6:2:2 当日点重視型
松山北本校 普通 6:2:2 当日点重視型
松山中央 普通 4:3:3 バランス型
今治西 国際文理・普通 5:3:2
西条 国際文理 6:2:2 当日点重視型

出典:令和8年度 愛媛県立高等学校入学者募集要項 別表2(愛媛県教育委員会)。各校の正確な比率は毎年度の募集要項で必ず確認してください。

A(当日点)の比率が高い松山東・松山北・松山南は「当日点重視型」と言われます。これらの高校を目指す場合、内申点ももちろん重要ですが、学力検査本番での得点力を高めることが特に有効です。

内申点の取り方:観点別評価と学年別配点

内申点は9教科の5段階評定の合計です。評定は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点別評価をもとに決定されます。

観点別評価に影響する要素

内申点は中1から中3までの3年分がすべて対象です。一般に「中3の成績が最も重要」というイメージがありますが、愛媛県の制度では3学年分を合算するため、中1・中2の時点から評定を意識することが有利です。

よくある誤解:「内申点は部活動・生徒会・委員会活動で上がる」という説明をよく聞きますが、評定(5段階)は各教科の学習活動に基づく評価であり、課外活動が直接的に評定を上げることはありません。ただし、これらの活動は調査書のC欄(課外活動記録)に記載され、第2選抜のC要素の評価に関わる場合があります。

受験対策の考え方

松山東・松山北を目指す場合(A比率6の当日点重視型)

第2選抜において当日点の比率が高いため、定期テスト対策(内申点確保)と学力検査本番対策の両方が必要です。特に中3の2学期以降は、本番形式の問題演習(過去問・模擬試験)を重点的に行い、時間内に5教科を安定して得点する力を養うことが重要です。

内申点対策を優先すべきタイミング

中1・中2の段階では、定期テストで安定した成績を維持し、提出物を確実に提出することが最優先です。この時期の内申点が土台になります。中3前半も定期テスト対策を続けながら、夏以降から本格的な入試対策に移行するのが一般的なスケジュールです。

ソートアップの高校受験対策

学習塾ソートアップでは、松山市東雲・道後エリアで東中・道後中・東雲中から松山東高・松山北高を目指す生徒を中心に、高校受験対策の個別指導を行っています。定期テスト対策(内申点確保)と入試本番に向けた問題演習を、生徒の学習状況に合わせて設計しています。

「内申点が思ったように上がらない」「数学が苦手で当日点が不安」「第2選抜の仕組みが複雑でよくわからない」——こうした相談もお気軽にご連絡ください。学習塾コースの詳細をご覧いただくか、無料体験授業にお申し込みいただけます。

高須賀 惇也(たかすか じゅんや)

学習塾ソートアップ 代表・講師。愛媛大学大学院 理工学研究科 博士後期課程在籍(教育工学・数理情報)。2014年2月開業。松山市東雲町で小1〜高3を個別指導。東中・道後中・東雲中の生徒の高校受験対策を多数担当。本記事の制度情報は愛媛県教育委員会公式資料(令和8年度)に基づいています。

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