愛媛県の公立高校入試(令和9年度・2027年春)は、1月の特色入学者選抜と2〜3月の一般入学者選抜という2段構えで進み、合格発表は令和9年3月18日(木)です。9月時点ではまだ出願期間などの細部は確定していませんが、決めること・提出するもの・確定する数字は「いつ」動くかがある程度読めます。県教育委員会の公式資料をもとに、9月から3月までを月ごとに逆算して整理します。
「逆算カレンダー」の考え方——2段構えの入試を時間軸で読む
愛媛県の県立高校入試は、特色入学者選抜と一般入学者選抜の2つが時期をずらして実施される仕組みです。特色は学習意欲や興味・関心、文化・スポーツ活動等の実績を生かした選抜、一般は学力検査と面接による選抜です(全日制は5教科、定時制は3教科。この記事は全日制を中心に説明します)。制度の詳しい仕組みは愛媛の公立高校入試制度の解説記事、調査書点(内申点)の積み上がり方は内申点はいつから・どう決まるのかの解説記事で扱っています。この記事では制度の中身ではなく、「9月から3月までのどのタイミングで、何を決め、何を提出し、何が確定するか」という時間軸に絞って整理します。
令和9年度(2027年春)入試について、愛媛県教育委員会が既に公表している期日は次の4つです(別添「令和9年度の愛媛県県立高等学校等の入学者等の選抜に係る学力検査の検査教科及び出題範囲並びに学力検査等の期日及び合格者の発表の日について」による)。
| 区分 | 期日 |
|---|---|
| 特色入学者選抜 学力検査等 | 令和9年1月29日(金) |
| 一般入学者選抜 学力検査等 | 令和9年3月4日(木)・5日(金) |
| 一般入学者選抜 追検査 | 令和9年3月12日(金) |
| 合格者の発表(特色・一般とも) | 令和9年3月18日(木) |
核心:令和9年度(2027年春)入試の「入学者選抜実施要項」は令和8年(2026年)10月頃に公表される予定と案内されています。出願期間・志願変更期間・募集定員・特色の出願資格の詳細はこの要項で確定するため、この記事の一部の日付は令和8年度(2026年春入試)の実績を目安として示し、「令和8年度実績」と明記します。実施要項が出たら、必ず最新の公式資料で確認し直してください。
9〜10月にやること——志望校の仮決めと、積み上がる調査書点
この時期は「何かを出願する」段階ではなく、準備の期間です。確認することは主に3つです。
- 志望校の仮決め:学力検査を受ける学校・学科を一つに絞る必要はまだありませんが、特色入学者選抜に出願するかを考えるため、候補の絞り込みを始める時期です。
- 特色入学者選抜の出願資格の確認:各高校・学科の出願資格や検査項目の概要は、愛媛県教育委員会高校教育課のホームページに掲載される「特色入学者選抜 各校の出願資格及び検査項目等について」で確認できます。令和9年度版は令和8年5月22日更新のものが既に公表されています。
- 調査書点(内申点)は中3の12月末まで積み上がり続ける:調査書点は中1〜中3の3年間の評定の合計(135点満点)です。中3の評定には12月末までの学習状況が反映されるため、この時期の定期テスト・提出物・授業態度が、後で述べる出願判断に直接影響します。
11〜12月にやること——特色に出すかどうかの判断と自己アピール書
11月頃、中学校には「令和9年度愛媛県県立高等学校入学者選抜実施細目」が配付される見込みで、この中に自己アピール書の様式が示されます。この時期に固めておきたいのは次の点です。
- 三者面談での志望校の絞り込み:中学校で実施される三者面談は、それまでの成績(調査書点の見込み)と志望校の比較を踏まえて出願先を具体化する重要な機会です。実施時期・回数は中学校ごとに異なるため、在籍校からの案内で確認してください。
- 特色入学者選抜に出願するかどうかの決断:特色は学校・学科によって募集定員の30%程度(普通科系)〜100%(体育科・芸術科等の一部)が上限とされ、調査書・自己アピール書に加え、各高校が作文・小論文・面接・集団討論・実技テスト・プレゼンテーションから選んで実施します。特色入学者選抜には志願変更の制度がありません(愛媛県教育委員会「特色入学者選抜導入に係るQ&A」Q7)。出願先は一度決めたら変更できないという前提で検討する必要があります。
- 自己アピール書の準備:「①出願資格に関する内容(部活動等の取組状況や実績、取得資格、学習への取組状況、関心・意欲など)についてアピールしたいこと」「②その他、アピールしたいこと」の2点を記述する書類です。令和9年度分の様式は11月頃配付の「入学者選抜実施細目」で示される予定のため、前年度の様式(県教育委員会高校教育課のホームページに掲載)を参考にしつつ、正式な様式が出たら最新版で確認してください。学校外での活動実績も、この書類で伝える形になります。
読み違えやすい点:特色で不合格になっても、一般入学者選抜で同じ高校・学科に再度出願できます(新居浜東高校体育科・伊予高校芸術科では、特色入学者選抜で募集定員が満たされた場合を除く。満たされなかった場合はこの2学科でも一般入学者選抜が実施されます)。「特色に落ちたらもう受けられない」という誤解が生まれやすいので、出願前に確認しておくと安心です。
1月——特色入学者選抜の出願と検査
令和9年度の特色入学者選抜の検査日は令和9年1月29日(金)です。出願期間は実施要項の公表を待つ必要がありますが、令和8年度実績(1月13日〈火〉〜20日〈火〉正午)を目安にすると、検査の2〜3週間前が出願の山場になります。出願する場合、この時期に自己アピール書・調査書(学校側が作成)を整えて提出します。
特色を受けない生徒にとっても、1月は一般入学者選抜に向けた最終調整の時期です。特色の結果は2月上旬まで判明しないため、受ける・受けないに関わらず1月中は一般入学者選抜の対策を並行して進めることになります。
2月——内定・一般出願・志願変更
2月は最も動きが集中する月です。県教育委員会「特色入学者選抜導入に係るQ&A」(Q8)が示す流れは次のとおりです。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2月上旬 | 特色入学者選抜 合格内定者の通知(令和8年度実績:2月6日〈金〉〜9日〈月〉) |
| 2月上旬〜中旬 | 入学確約書の提出期限(令和8年度実績:2月13日〈金〉正午) |
| 2月中旬 | 一般入学者選抜 出願(特色の合格内定者への通知後に開始。令和8年度実績:2月9日〈月〉〜16日〈月〉正午) |
| 2月中下旬 | 一般入学者選抜 志願変更・志願倍率発表(令和8年度実績:2月17日〈火〉〜25日〈水〉正午、1回限り) |
ここで確定する重要な点が2つあります。1つは入学確約書の提出です。特色の合格内定通知を受け取った人は、確約書の提出で入学の意思を確定させます。愛媛県教育委員会「特色入学者選抜導入に係るQ&A」(Q10)によれば、確約書を提出した人は県立高校全日制課程の一般入学者選抜に出願できず、出願すれば特色の合格内定は取り消されます。もう1つは志願変更後に発表される志願倍率で、各校・各学科の最終的な出願状況が見える形になります。
3月——学力検査と合格発表
令和9年度の一般入学者選抜の学力検査は令和9年3月4日(木)・5日(金)、追検査(病気等)は3月12日(金)です。令和8年度実績では、1日目に国語・国語作文・理科・社会、2日目に数学・英語・面接(実技テストを行う学科は実技テスト後に面接)でした。学力検査は全日制の場合、各教科50点満点・合計250点満点(理数科・総合学科は傾斜配点を実施する場合、合計300点満点)、調査書点は135点満点で、この2つと必要に応じて面接・実技テストの結果を総合して合否が判定されます。
合格者の発表は令和9年3月18日(木)で、特色入学者選抜・一般入学者選抜とも同日です。発表後、学力検査等の得点の開示請求ができる期間が設けられます(令和8年度実績:発表日から1か月間)。
松山市内の中学校での実務——要確認の前提で
ここまでは愛媛県教育委員会の公式資料に基づく日程です。加えて、松山市内の中学校の現場で進路決定に関わる実務として、実力テスト(校内実施の学力診断テスト、中3の2学期以降に複数回)と三者面談(秋と学年末近くに複数回)があります。特色入学者選抜に出すかどうかの最終判断は、この面談の場で固まることが多くなります。実施時期・内容は中学校ごとに異なるため、在籍校からの案内で必ず確認してください。
私立高校の入試日程や、塾・予備校が実施する模擬試験の日程も、学校・実施団体ごとに異なるため、この記事では具体的な時期を明記しません。配布資料で確認することをおすすめします。
ソートアップでの取り組み
学習塾ソートアップでは、中3の面談で愛媛県教育委員会の公表資料を実際に開きながら、生徒・保護者と一緒に「いつまでに何を決めるか」の逆算表を作るようにしています。特色に出すかどうか、調査書点の見込みといった判断を、伝聞ではなく公式資料に基づいて行うためです。
学習塾コースでは、日々の学習設計とあわせてこうした進路の情報整理も行っています。無料体験授業で実際の指導スタイルをご確認いただけます。
よくある質問
令和9年度(2027年春)入試の詳しい日程は、いつ発表されますか?
愛媛県教育委員会「愛媛県県立高等学校入学者選抜実施要項」は、令和9年度版が令和8年(2026年)10月頃に公表される予定と案内されています(自己アピール書の様式等を含む「入学者選抜実施細目」は11月頃に中学校へ配付される見込みです)。出願期間や志願変更期間、募集定員、A:B:C比率といった詳細はこの実施要項・募集要項で確定します。特色入学者選抜の検査日(令和9年1月29日)・一般入学者選抜の学力検査日(同3月4・5日)・合格発表日(同3月18日)は、県教育委員会が既に公表しています。
一般入学者選抜の志願変更は、いつできますか?
志願変更は、一般入学者選抜に出願した後に学校・課程・学科を1回に限り変更できる制度です。令和8年度(2026年春入試)の実績では、出願期間(2月9日〜16日正午)に続けて2月17日〜25日正午に志願変更期間が設けられ、この期間に志願倍率が発表されました。令和9年度の正確な期間は、実施要項の公表を待って確認する必要があります。なお特色入学者選抜には志願変更の制度自体がありません。
特色入学者選抜に落ちたら、一般入学者選抜に出願できますか?
できます。愛媛県教育委員会「特色入学者選抜導入に係るQ&A」(令和8年5月25日更新)では、特色入学者選抜で不合格となった場合に、一般入学者選抜で再度同じ高校・学科に出願できると明記されています(新居浜東高校体育科・伊予高校芸術科では、特色入学者選抜で募集定員が満たされた場合を除く。満たされなかった場合はこの2学科でも一般入学者選抜が実施されます)。特色を受けずに最初から一般入学者選抜だけに出願することも可能です。
「入学確約書」を提出すると、何ができなくなりますか?
特色入学者選抜の合格内定通知を受け取った人は、入学確約書を提出することで入学の意思を確定させます。愛媛県教育委員会「特色入学者選抜導入に係るQ&A」によれば、入学確約書を提出した人は県立高校全日制課程の一般入学者選抜に出願できず、出願した場合は特色入学者選抜の合格内定が取り消されます。確約書を提出しない場合の扱いや、内定後に事情が変わった場合の対応はQ&Aに明記がないため、判断に迷う場合は提出前に中学校・志願先高校に確認することをおすすめします。